スキンケアの話をするときにたびたび登場する項目に、肌のターンオーバーがあります。
古い細胞から新しい細胞に生まれ変わる新陳代謝の一種ですが、このサイクルを整えることでいつまでも美しい肌をキープできるといわれています。
1.ターンオーバーのメカニズムを解説
ターンオーバーとは、表皮という皮膚組織の中でも一番表面のところで行われる行為です。
この部分では、細胞の生まれ変わりが絶え間なく行われています。
・2つの工程で構成
ターンオーバーは2段階で行われています。
まずはケラチノサイトと呼ばれる基底細胞が細胞分裂を起こします。
その結果、角層細胞が生まれます。
次の工程は古くなった角質細胞の剥離です。
一定期間が経過すると脱落します。これで一つのターンオーバーが完了したことになります。
大体これが28日サイクルで実施されます。
・ターンオーバーが乱れるとは?
ターンオーバーが乱れると肌トラブルが起こりやすくなるとよく言います。
では乱れるとはどのような状態を指すのでしょうか?
何らかのダメージを受けると、ターンオーバーのサイクルが早まります。
これは肌の内部を守ろうという自然の反応です。しかしサイクルが早まるとは、急ぎ角質細胞を作らないといけません。
このため、きちんとした細胞ができなくなります。特に問題はNMFが不十分な点です。NMFとは天然の保湿因子です。
NMFが十分でないと乾燥した角質細胞が出来上がり、乾燥肌になりやすいです。しかも剥離の機能も低下します。
脱落すべきタイミングが来ても剥がれ落ちずに、そのまま角質が分厚くなってしまいます。
その結果、皮膚表面の凹凸が激しくなるわけです。
光の透過がスムーズにいかなくなり、いわゆる肌のくすんだ状態になってしまいます。
2.乱れの要因
ターンオーバーが正常なサイクルで働かなくなると、未成熟な角質細胞がどんどんできてしまって、肌トラブルが発生しやすくなります。
では乱れる原因としてどのようなものが考えられるか、以下にまとめました。
・ライフスタイルの問題
まず大きな要因と言われているのは、生活習慣の乱れです。
慢性的な寝不足、食生活の乱れ、過剰なストレス、喫煙、過度の飲酒運動不足などです。
若い女性の中には極端な食事制限など、無理なダイエットをする人もいます。
これも慢性的な栄養不足を招き、ターンオーバーの乱れを引き起こしかねません。
女性の場合、もう一点注意したいものとして便秘があります。
お通じがないと腸内環境が悪化して、老廃物が腸内にどんどん溜まります。
これが血液中に溶け出すと、全身をめぐります。
すると汗や皮脂と一緒に有害物質を排出するので手一杯になってしまいます。
ターンオーバーの方に手が回らなくなってしまって、肌トラブルを招きかねません。
・外部からの刺激
外部からの刺激を恒常的に受け続けることで、ターンオーバーが乱れる可能性もあります。
特に注意が必要なのは、紫外線や乾燥です。
紫外線や乾燥から肌を守り切れていないと、まだ脱落する必要のない角質層がはがれてしまい、サイクルを早めざるを得なくなるわけです。
3.まとめ
美肌を維持するためには、ターンオーバーを正常に機能させることがいかに重要なお分かりになったでしょうか?
生活習慣などの内部的な要因と紫外線や乾燥などの外的要因があります。前者については規則正しい生活リズムを常に意識することが大事です。
栄養バランスの取れた食生活もポイントで、野菜を積極的に摂取したいところです。
後者は外出する際にはUVカットの日焼け止めクリームを塗る、保湿のスキンケアを怠らないことが大事です。
肌荒れに悩まされている人は、自分の生活サイクルを見直すところから始めてみませんか?